プロジェクト研究①うちの子は、どの園と合うのかな? の紹介

世話人 大熊美佳子 名取洋典 黒石憲洋 喜多濃太香 青柳肇


 本プロジェクト研究は,幼児教育・保育スタイルと子どもの成長・発達との関連について,さまざまな切り口で考えていこうというものです。
 特に,幼稚園,保育所,認定こども園の現状を把握した上での,小学校入学とその後の育ちも対象に含めた研究を,保護者,支援者,研究者の三者の視点で続けています。

 2010年度は,「認定こども園」の評価に関わる研究として,全国の幼稚園,保育所,認定こども園に調査を行い,保育者・保護者約5000名の方のご協力をいただきました。認定こども園の評価に加えて,子ども,保護者,保育者の様子などについて伺うことができました。
 第2回大会(2010年)ではプロジェクト研究報告を行い,詳細は機関誌創刊号に掲載されております。

 2011年度は,子どもの生活習慣や社会性の獲得,生活時間や食事内容,普段の子どもの様子など,より具体的な内容について,保護者と保育者に調査を行いました。そして,園種や生活時間などの要因がどのように子どもの発達に影響しているのかを検討しました。
 調査結果については,第3回大会(2011年),第4回大会(2012年)において,プロジェクト研究報告ならびにポスター発表を行いました。

 幼児期の子どもが生活習慣やさまざまな行動を身につけるために家庭が担う役割は大きいですが,一方,家庭だけで十分な社会性などを身につけることは難しいことです。集団生活での経験も重要で,したがって,家庭と園の連携は欠かせません。
 こうした視点を踏まえて,2013年度からは,幼児期から児童期へのスムーズな移行を可能にするためにどうしたらよいかという点に着目した研究を行っています。具体的には,いわゆる「小1プロブレム」について検討しています。まず,小学校の先生を対象に小1プロブレムに関する調査を実施しました。
 第5回大会(2013年度)では,調査結果を話題とし,小学校の先生や相談員の方をお招きして,ラウンドテーブルで意見交換をしました。

 2014年度は,スムーズな移行について,今度は幼稚園・保育所の先生方への聞き取り調査を実施しました。そして,第6回大会(2014年度)では,小学校校長,幼稚園経営者の先生をお招きしたラウンドテーブルを行いました。第5回大会に続き,現場の先生方の生の声を伺うことができました。


 2015年度の活動内容について,現在検討中です。ご興味をお持ちの方は,ぜひ本プロジェクト研究にご参加ください。